千々岩修 CHIJIIWA Osamu

白い夜 2000 244cm×650cm  麻紙 岩絵具 銀箔 膠

 たぶん、訪れる人だれもが、目のまえの光景を見て美しいという感情を持つであろう長崎の夜景を目にしました。その「美しい夜景」に思い浮かべる観点から少し離れて、目にみえることのない事実や真実を呼び寄せたい。

 もし、実存的事実から私が何か感じたのであれば、画面の白く淡い余白の部分に海や山や街の風景が埋まっていたのかもしれないが、私の意識化の中の存在が、目を細めて見えてくる形や耳を澄ました時に聞こえてくる音のみを現象(人間の感覚によって知ること)としてとらえさせ、それを媒体として表現しました。